子どもの歯並びがガタガタ。永久歯が生えそろうまで様子を見るべき?
こんにちは。
川西市の歯並び専門の歯医者、スマイルプラス矯正歯科の山本昌宏(歯学博士・日本矯正歯科学会認定医・アラインファカルティ)です。
矯正相談で非常によくいただくご相談があります。
それは、
「前歯がガタガタに生えてきました」
「永久歯が入るスペースがなさそうです」
「歯医者さんでは永久歯が生えそろうまで様子を見ましょうと言われました」
というものです。
実際にお子さんのお口を見ると、
前歯が重なって生えていたり、
永久歯が内側や外側から出てきたり、
明らかにスペースが足りなさそうに見えることもあります。
そんな時、
本当に永久歯が生えそろうまで待っていて大丈夫なのでしょうか?
今回は、この疑問についてお話ししたいと思います。
ガタガタの前歯は珍しいことではありません
まず知っていただきたいのは、
前歯が永久歯へ生え変わる時期に、
多少ガタガタになること自体は珍しいことではありません。
永久歯の前歯は、
乳歯の前歯よりも大きいためです。
そのため、
生え変わり直後は、
・少し重なっている
・ねじれている
・隙間が足りないように見える
ことがあります。
この段階だけを見て、
すぐに矯正治療が必要とは限りません。
では、なぜ相談した方がよいのでしょうか?
問題は、
「正常な生え変わりなのか」
「本当にスペースが不足しているのか」
を見分けることです。
保護者の方が見ても、
その違いを判断するのは難しいと思います。
実際には、
前歯だけを見るのではなく、
・顎の大きさ
・歯列の幅
・奥歯の位置
・かみ合わせ
・今後の成長
などを総合的に評価する必要があります。
前歯がガタガタでも原因は前歯にないことがあります
保護者の方は、
どうしても前歯に目がいきます。
しかし矯正歯科では、
前歯だけでなく奥歯の位置も重要です。
当院では、
MOO(Molar Oriented Orthodontics)
という考え方を大切にしています。
これは、
奥歯の位置や歯列全体のバランスを評価し、
その結果として前歯がどのように並ぶのかを考える診断方法です。
実際には、
前歯がガタガタに見えても、
歯列の幅や奥歯の位置を整えることで、
将来的なスペース不足を改善できる場合があります。
乳歯を抜けば解決するのでしょうか?
前歯の永久歯が生えてくる時期に、
「スペースが足りないので隣の乳歯を抜きましょう」
と説明を受けたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
実際に、
乳歯を抜歯することで一時的にスペースができ、
永久歯が生えやすくなる場合があります。
そのため、
状況によっては有効な処置となることもあります。
しかし、
本当に考えなければならないのは、
「なぜスペースが足りなくなったのか」
という原因です。
例えば、
・顎の大きさに対して歯が大きいのか
・歯列の幅が不足しているのか
・奥歯の位置に問題があるのか
・成長発育に原因があるのか
といったことです。
原因が解決されないまま、
乳歯を抜いてスペースだけを確保すると、
一時的には改善したように見えても、
その後ろから永久歯が生えてきた時に、
再びスペース不足になることがあります。
すると、
「次は隣の乳歯を抜きましょう」
という流れになることもあります。
もちろん、
乳歯抜歯そのものが悪いというわけではありません。
ただ、
問題の原因にアプローチしているのか、
それとも問題を先送りしているだけなのか、
を考えることは大切だと思います。
抜く乳歯がなくなった時に、
「さて、どうしよう?」
とならないように、
最初から原因に目を向けることが重要だと考えています。
「様子を見る」が正しい場合もあります
ここは誤解してほしくない部分です。
すべてのお子さんが、
早く治療した方が良いわけではありません。
例えば、
・生え変わり途中
・今後の成長で改善する可能性がある
・まだ診断に必要な永久歯が生えていない
場合には、
経過観察が適切なこともあります。
矯正歯科医が
「様子を見ましょう」
とお話しするのは、
何もしないという意味ではなく、
成長を観察しながら最適なタイミングを待つ
という意味であることも少なくありません。
逆に早めに相談した方が良いケース
一方で、
早めの対応が望ましい場合もあります。
例えば、
・受け口
・交叉咬合
・著しい叢生
・左右差のあるかみ合わせ
・歯が全く並ぶスペースがない
などです。
特に骨格的な問題がある場合は、
成長期にしかできない治療が存在します。
当院が考えるゴールデンエイジ
当院では、
前歯が永久歯へ生え変わり、
6歳臼歯が生えそろう7歳前後を
「ゴールデンエイジ」
と考えています。
この時期は、
・歯列の幅
・顎の成長
・永久歯のスペース
・かみ合わせ
などを評価しやすい時期です。
また、
将来的に歯を抜かずに治療できる可能性についても判断しやすくなります。
そのため、
前歯がガタガタになり始めた頃は、
一度矯正相談を受ける良いタイミングだと考えています。
相談したらすぐ治療になるのでしょうか?
これもよくあるご質問です。
答えは、
必ずしもそうではありません。
実際には、
相談後に
「今は様子を見ましょう」
とお伝えすることも少なくありません。
大切なのは、
治療を始めることではなく、
現在の状態を正しく知ることです。
今後の見通しが分かるだけでも、
保護者の方の安心につながることが多いと感じています。
まとめ
前歯がガタガタに生えてきたからといって、
必ずしもすぐに矯正治療が必要とは限りません。
しかし、
本当に様子を見てよいのかどうかは、
前歯だけでは判断できません。
矯正歯科では、
・歯列の幅
・奥歯の位置
・顎の成長
・かみ合わせ
などを総合的に評価します。
特に7歳前後のゴールデンエイジは、
将来の歯並びを予測しやすい大切な時期です。
「ガタガタだけど大丈夫かな?」
と思われたら、
永久歯が生えそろうまで待つ前に、
一度相談していただくことをおすすめします。
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院長 山本昌宏
(歯学博士・日本矯正歯科学会認定医・アラインファカルティ)

