歯科医療は「治す」から「再生」へ?
アエラスバイオ再生医療関連施設を見学して感じたこと
こんにちは。
川西市の歯並び専門の歯医者、スマイルプラス矯正歯科の山本昌宏(歯学博士・日本矯正歯科学会認定医・アラインファカルティ)です。
2026年5月21日、神戸にあるアエラスバイオ社の再生医療関連施設を見学してまいりました。
今回の見学では、
・細胞培養加工施設
・歯髄再生治療展示場
・歯髄幹細胞バンク
・再生医療関連設備
などを実際に見学させていただきました。
普段の矯正歯科診療とはまた違った世界で、
非常に勉強になる時間でした。
「削る」「抜く」だけではない歯科医療へ
これまで歯科医療というと、
・虫歯を削る
・歯を抜く
・被せ物をする
・入れ歯やインプラントで補う
といった治療が中心でした。
しかし現在では、
「再生」
という考え方が少しずつ現実になってきています。
今回見学した施設では、
乳歯、親知らず、矯正治療で抜歯した歯などから歯髄幹細胞を採取・保管し、将来的な再生医療へ活用する取り組みが行われていました。
歯髄幹細胞とは?
歯の内部には、
「歯髄(しずい)」
と呼ばれる神経や血管を含む組織があります。
いわゆる、
「歯の神経」
と呼ばれる部分です。
この歯髄の中には、
歯髄幹細胞
と呼ばれる細胞が存在しています。
現在、
・歯髄再生
・骨再生
・神経再生
・再生医療研究
など、さまざまな分野への応用が研究されています。
矯正歯科とも関係が深い分野
今回特に興味深かったのは、
再生医療と矯正歯科にも接点がある
という点でした。
当院では、
奥歯(臼歯)の位置や歯列全体のバランスを考えながら診断・治療を進めていくスタイルを大切にしています。
その結果として、
なるべく歯を抜かずに矯正治療を完結できる患者さんが多いのも特徴のひとつです。
ただし、
もちろん、すべての患者さんを非抜歯矯正で治療できるわけではありません。
骨格的な問題やスペース不足の程度によっては、
抜歯治療が必要になるケースもあります。
その際には、
単純に「どの歯を抜くか」だけではなく、
・かみ合わせ
・歯周状態
・補綴処置の有無
・歯の予後
・長期的安定性
なども含めて総合的に判断しています。
例えば、
すでに大きな補綴治療が行われている歯や、
予後が厳しい歯(ホープレスな歯)がある場合には、
そうした歯を抜歯対象として選択することもあります。
しかし実際には、
虫歯もなく、
問題のない健康な歯を抜歯するケースも少なくありません。
矯正歯科では、
「健康な歯を抜く」
という判断に向き合うことがあります。
だからこそ今回、
歯髄幹細胞保存や再生医療という考え方を見学して、
もし将来的に、
そうした歯が医療資源として活用できるのであれば、
とても意義のあることだと感じました。
矯正歯科は「保存のきっかけ」を作れる分野かもしれない
当院は、
2021年9月28日より、
アエラスバイオ歯髄幹細胞バンクの提携歯科医院となっています。
当時から、
「これからの歯科医療は、再生医療の方向へ進んでいくのではないか」
という関心を持っていました。
そして今回、
実際に施設を見学させていただき、
やはり非常に可能性を感じる分野だと改めて感じました。
もちろん、
現時点で矯正歯科が再生医療そのものに直接関わるわけではありません。
ただ、
「保存するきっかけ」
という意味では、
矯正歯科は非常に関わりが深い分野かもしれない、と感じています。
特に矯正歯科では、
比較的若い時期に抜歯を行うことがあります。
若年由来の歯髄細胞は、
細胞増殖能が高い可能性があるとも言われており、
将来的な活用可能性という点でも興味深い領域でした。
これまでであれば、
「抜歯して終わり」
だった歯が、
将来的には、
「未来へ残す医療資源」
という考え方へ変わっていく可能性があるのかもしれません。
実際に細胞培養施設を見学して感じたこと
今回の見学では、
実際の細胞培養加工施設も見学させていただきました。
・クローズド型アイソレーター
・液体窒素による凍結保管設備
・清浄管理された培養環境
など、普段の歯科医院とは全く異なる環境でした。
特に印象的だったのは、
非常に厳密な清浄管理のもとで、
細胞培養が行われていることです。
歯科医院というより、
研究施設や医薬品工場に近い印象を受けました。
まだ発展途上の分野でもあります
一方で、
再生医療はまだ発展途上の分野でもあります。
今回の説明でも、
・細胞増殖の個人差
・適応症
・費用
・法規制
・長期予後
など、今後さらに検討されていく部分が多いことも感じました。
つまり、
現時点では、
「誰にでも必須」
というものではありません。
ただ、
こうした選択肢が今後さらに増えていく可能性がある
ということは非常に興味深いと思います。
「歯を残す」という考え方
矯正歯科では、
なるべく歯を活かすこと
を大切にしています。
もちろん、
すべてのケースで非抜歯が可能というわけではありません。
しかし、
「抜く」
だけではなく、
「どう残すか」
「どう機能させるか」
を考える時代になってきているように感じます。
今回の見学を通して、
歯科医療は、
「治療」
から
「再生」
へ、少しずつ変化しているのかもしれないと感じました。
今後さらに変わっていく歯科医療
現在でも、
・歯髄再生
・骨再生
・神経再生
・再生医療研究
など、さまざまな研究が進んでいます。
今後、
10年後、20年後には、
現在では当たり前と思われている歯科治療が、
大きく変わっている可能性もあるのかもしれません。
矯正歯科でも、
これまでであれば
「抜歯して終わり」
だった歯が、
将来的には、
「保存して未来へつなぐ」
という考え方へ変わっていく可能性もあるのかもしれません。
今回の施設見学は、
歯科医療の未来について改めて考える、
非常に貴重な機会となりました。
まとめ
2026年5月21日、アエラスバイオ社の再生医療関連施設を見学させていただきました。
・歯髄幹細胞バンク
・細胞培養加工施設
・歯髄再生治療展示場
などを実際に見学し、
歯科医療が
「削る・補う」から
「再生する」
方向へ進み始めていることを実感しました。
再生医療はまだ発展途中の分野ではありますが、
歯科医療の未来として非常に可能性を感じる領域だと思います。
非常に勉強になる見学会でした。
川西市・池田市・伊丹市・宝塚市・猪名川町で
小児矯正、マウスピース矯正(インビザライン)などの矯正治療をご検討の方は、お気軽にご相談ください。
スマイルプラス矯正歯科では、
矯正専門医が歯並びやかみ合わせを丁寧に診断し、
患者さんに合った治療方法をご提案しています。
矯正相談はこちら
https://besmile.jp/contact/
スマイルプラス矯正歯科
院長 山本昌宏
(歯学博士・日本矯正歯科学会認定医・アラインファカルティ)

