【Prestige 2026 参加レポート①】 アラインテクノロジーCEO ジョン・ホーガンが語る 「AI × 3Dプリンティング時代の矯正歯科の未来」
2026年3月1日、東京 JWマリオット東京 にて開催された
「Align Ortho Prestige 2026」に参加してきました。
このPrestige 2026は招待制イベントで、
全国から選ばれた約100名の矯正専門医のみが参加できる特別な会です。
規模が大きいだけでなく、濃度の高い学術的な議論が交わされる
“トップレベルの臨床家が集まる場”でした。
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■ 開業前の2007年から続く、私とインビザラインの“並走する歴史”
川西市で「こどもが主役の矯正歯科|スマイルプラス矯正歯科」を開業したのは2008年です。
しかし、その1年前の2007年10月3日、私はインビザライン導入コースを受講しました。
「開業するなら、患者さんに“最新かつ質の高い矯正治療”を提供したい」
その思いから、開業前からインビザラインの本格的な勉強を始めました。
当時はちょうど、アラインが
・G3 / G4 / G4 Plus
・SmartTrack
・複雑症例へのアプローチ拡大
など、大きな技術革新を迎えていた時期でした。
つまり、
「私の矯正医としての歩みと、インビザラインの進化は
ほぼ同じ時代を走り続けてきた」
ということになります。
この長い年月で得た臨床経験をもとに、現在は
・日本矯正歯科学会 認定医
・インビザライン ファカルティ(Align社公式講師)
として診療・教育活動に携わらせていただいています。
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■ インビザライン・ジャパン20周年の開会セッション
まず登壇されたのは、インビザライン・ジャパン社長 土橋信也 氏。
日本にインビザラインが導入されてからの20年の歴史を振り返り、
日本の矯正専門医コミュニティの
・正確性
・継続的な学習姿勢
・患者さんへの誠実さ
を高く評価されていました。
日本は世界でも特に厳密な治療文化を持つ国とされており、
それがインビザラインの技術進化にも大きく貢献しているとのことでした。
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■ アラインテクノロジーCEO:ジョン・ホーガン(Joseph M. Hogan)の基調講演
続いて登壇したのが、アラインテクノロジーCEO ジョン・ホーガン 氏です。
私たち矯正医の間では“ジョン・ホーガン”の名で親しまれています。
ホーガンCEOは、アラインの本質を次のように語りました。
「アラインは“透明マウスピースの会社”ではない。
矯正歯科のテクノロジーカンパニーである。」
その言葉を裏付けるように、アラインの取り組みは非常に幅広いものです。

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◆ 年間4億ドル超のR&D投資
AI、材料科学、3Dプリンティング、幾何学最適化などへの継続投資。
◆ 世界2,200万症例のAI解析データ
ClinCheckの予測性を高める巨大データベース。
◆ SmartForce × SmartStage × SmartTrack
インビザラインを支える三本柱が年々進化。
◆ 次世代3Dプリンティング(壁厚可変)
症例ごとに“必要な力”を設計段階で組み込む未来が視野に入っています。
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■ R&Dセッション:Srini Kaza(スリニ・カザ)
研究開発部門の Srini Kaza 氏からは、
材料科学・力学の視点で次のポイントが語られました。
・SmartTrackがどのように開発されたか
・前歯と臼歯で異なる力学特性の補正
・壁厚可変3Dプリンティングの必要性
「力をデザインする時代」がよく理解できる内容でした。
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■ プロダクトセッション:David Carr(デイビッド・カー)
製品開発責任者の David Carr 氏からは、
臨床現場に直結する新機能が紹介されました。
・新しいClass II / Class IIIフック
・新しいリテーナー設計(開咬補正・萌出スペースの設定)
・3Dプリントアタッチメント(より精密な矯正力の伝達)
Carr氏は
「臨床家のフィードバックこそ、製品改善の最重要データだ」
と語り、日本の矯正医への期待を示していました。
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■ 日本市場への本気度:横浜のClinCheckチーム250名体制
アラインはアジアでも、日本を最重要市場のひとつに位置付けています。
・日本スタッフ 約500名
・横浜のClinCheckチーム 約250名
・日本語での高速プランニング
・臨床家からのフィードバックを迅速に反映する体制
まさに、企業と日本の矯正専門医が
“共創で未来を作る”状態にあると感じました。
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■ まとめ
今回のPrestige 2026は、
17年以上インビザラインと向き合ってきた私にとっても
非常に価値の高いアップデートとなりました。
・インビザラインは「AI × 材料科学 × 3Dプリンティング」の融合プラットフォームへ進化
・日本の矯正専門医は世界的にも高く評価されている
・臨床へ即反映できる実践的技術が多数紹介された
川西市で“こどもが主役の矯正歯科”を掲げる
スマイルプラス矯正歯科として、
これからも最新の科学・技術を正しく理解し、
患者さんにとって安全で質の高い矯正治療を提供していきたいと思います。
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■ 次回予告
次回(第2回レポート)は
「Clinical Evidence & Collaboration
— エビデンスに基づく治療革新と、大学 × 企業の共創の力」
このセッションは
・玉置幸雄 先生(福岡歯科大学 成長発達歯学講座矯正歯科学分野 教授)
・藤山光治 先生(ふじやま矯正歯科)
のお二人による講演でした。
日本で増加している矯正治療のクレームデータの分析や、
アライナー治療の予測実現性(Predictability)に関する最新エビデンスなど、
非常に示唆に富んだ内容でした。
次回の記事で詳しくまとめたいと思います。

