ノリスシステムセミナーを受講してきました
― 2026年2月12日 東京ASOセミナー ―
2026年2月12日、東京で開催された Norris System(ノリスシステム)セミナー を受講してきました。
今回のセミナーでは、ノリスシステムの開発者である Dr. Robert “Tito” Norris が来日され、直接講義を受ける貴重な機会となりました。
当初はオルクドール・サロンTOKYOで開催予定でしたが、開催直前に会場変更の案内があり、アソインターナショナル本社ビル9階での開催となりました。
少人数制のセミナーで、実際の症例をもとにノリスシステムのコンセプトや診断哲学について学ぶことができました。
ノリスシステムの特徴
ノリスシステムは、ブラケットとワイヤーの精度を高めることで、歯の三次元的なコントロールをより精密に行うことを目的としたブラケットシステムです。
特に印象的だったのは
・Reduced slot concept
・トルクコントロールの精度
・フィニッシングの再現性
といった部分です。
矯正治療では歯並びだけでなく、歯根の角度やスマイルラインなど、最終的な仕上がりの精度が非常に重要になります。
ノリスシステムは、その 最終的なフィニッシング精度を高めることを目的としたブラケットシステムだと感じました。
矯正診断の基本
Sarverの診断コンセプト
今回の講義を聞いていて感じたのは、ノリス先生の診断が 顔貌を重視した診断哲学に基づいているという点です。
これはアメリカの矯正歯科医 David Sarver が提唱する診断コンセプトとも共通しています。
Sarverは矯正診断を
Macro(顔貌)
Micro(スマイル)
Dental(歯の三次元コントロール)
という三つの視点から考えることの重要性を提唱しています。
つまり矯正治療は
歯並びから考えるのではなく、顔から設計する医療
であるという考え方です。
当院の診断の考え方
当院の診断も、機能的なことだけでなく審美的なことも考慮しています。
Norman M. Cetlin の非抜歯哲学をベースに、臼歯の位置づけを考えて診断を行っています。
Norman M. Cetlin は非抜歯矯正の巨匠として知られる先生です。
そのコンセプトをベースに体系化されたのが
Raphael Greenfield 先生の CAd(Coordinated Arch Development)テクニックです。
Cetlin & Greenfield らは
・歯列の拡大
・臼歯遠心移動
などを利用し、歯列全体のバランスを整えることで、非抜歯治療だけでなく長期安定する症例を数多く示しています。
当院でも
不可逆的な治療(抜歯)を行う前に、まず臼歯の位置を整えて再診断する
というプロセスを大切にしています。
Tip-Edge Plusブラケット
当院ではブラケット矯正を行う場合、Tip-Edge Plusブラケットを使用しています。
Tip-Edgeブラケットは Peter C. Kesling によって開発されたブラケットで、Beggテクニックの生体力学をベースにしています。
スロットのコーナーがカットされている特殊な構造により
・frictionが少ない
・軽い力で歯が動く
・比較的太い初期ワイヤーを使用しても痛みが少ない
という特徴があります。
さらに Tip-Edge Plusでは
トンネルスロット(通称)
が追加されており
・通常の結紮ブラケット
・セルフライゲーションのような低摩擦状態
の両方を実現することができます。
つまりTip-Edge Plusは
conventionalブラケットとself-ligatingブラケットの両方の特徴を併せ持つ非常にユニークなブラケット
と言えます。
Invisalignシステム
現在当院ではマウスピース矯正では
**Invisalign(インビザライン)**を採用しています。
インビザラインは
・世界で最も症例数が多いマウスピース矯正
・デジタルシミュレーション(ClinCheck)
・拡大や遠心移動など多くの治療に対応可能
という特徴があります。
また
・歯列の拡大
・臼歯遠心移動
といった治療が可能であり、当院がこれまで行ってきた 非抜歯矯正の考え方との親和性が非常に高い治療法です。
装置は変わっても
矯正治療の核は変わらない
当院の矯正歯科の歴史を振り返ると
Tip-Edge
↓
Invisalign
というように、矯正装置は時代とともに進化してきました。
しかしその根底にある重要な考え方は変わっていません。
それは
矯正治療の最も重要な要素は装置ではなく診断である
ということです。
Sarverの顔貌診断、
Cetlinの非抜歯哲学、
GreenfieldのCAdテクニック、
そして現在のデジタル矯正。
装置は変わっても
患者さんの顔貌・咬合・機能を総合的に診断するという矯正治療の核となる考え方は変わっていません。
今回のノリスシステムのセミナーを通して、改めてその重要性を再確認することができました。
これからも国内外の矯正歯科の知見を学びながら、
歯並びだけでなく、顔貌と機能の調和を目指した矯正治療
を提供していきたいと考えています。
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