【Prestige 2026 参加レポート②】 Clinical Evidence & Collaboration エビデンスに基づく治療革新と、大学 × 企業の共創の力
2026年3月1日、東京 JWマリオット東京 にて開催された
「Align Ortho Prestige 2026」。
第2セッションでは、
・玉置幸雄 先生(福岡歯科大学 成長発達歯学講座 矯正歯科学分野 教授)
・藤山光治 先生(ふじやま矯正歯科)
のお二人による講演が行われました。
テーマは
「Clinical Evidence & Collaboration
エビデンスに基づく治療革新と、大学 × 企業の共創」
アライナー矯正が急速に普及する現在、
臨床エビデンスと医療としての責任について改めて考えさせられる内容でした。

■ 日本で増えている“矯正治療のクレーム”
玉置幸雄先生の講演では、
日本国内で実際に報告されている矯正治療のクレームデータが紹介されました。
特に近年増えているのが
・治療結果への不満
・治療期間に関するトラブル
・返金に関する問題
などです。
興味深かったのは、
ワイヤー矯正でもアライナー矯正でも
クレームの発生構造は大きく変わらない
という点でした。
つまり、
装置の問題というよりも
・診断
・治療計画
・患者さんへの説明
・期待値の共有
といった、医療としての基本が
結果を大きく左右するということです。
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■ 3Dシミュレーションが生む“期待値ギャップ”
アライナー矯正では、
治療開始前にシミュレーションを見ることができます。
これは患者さんにとって大きなメリットですが、
一方で
「シミュレーション通りに必ず動く」
という誤解が生まれることもあります。
実際の矯正治療では
・歯根形態
・骨の厚み
・患者さんの協力度
・生体反応
など、さまざまな要因が影響します。
そのため、
**シミュレーションは“治療モデルに基づく予測”であり、
必ずしも完全に一致するものではない**
という説明が非常に重要になります。
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■ iTero導入が変えた矯正治療の説明
当院では2015年に
口腔内スキャナー **iTero2.6** を導入しました。
当時はまだ全国でも20台程度しか導入されていない時代でした。
それまでは
「矯正治療で歯並びがどう変わるか」
という未来のイメージを
患者さんに説明するのは簡単ではありませんでした。
しかし、iTeroによって
・歯並びの3Dデータ
・治療シミュレーション
・経過の比較
などを視覚的に説明できるようになりました。
これは矯正治療にとって非常に大きな進歩だと感じています。
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■ 当院でのバーチャルケアの活用
スマイルプラス矯正歯科では、
可能な患者さんには **バーチャルケア** を活用しています。
これは
・通院回数の負担を減らす
・治療経過を遠隔で確認する
・問題を早期に発見する
といった目的があります。
実際には
対面の時間が減ったというよりも、
LINEなどを通じて
患者さんが気軽に質問できる環境ができたことで
コミュニケーションはむしろ
増えていると感じる場面もあります。
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■ 同じアライナーでも結果が違う理由
このセッションの座長は
**藤山光治 先生**
でした。
藤山先生は
インビザラインファカルティとしても活躍されている先生です。
講演の中でも触れられていたように、
矯正治療では
・どのように診断するのか
・どの順序で歯を動かすのか
・どのメカニクスを使うのか
・生物学的に安全な範囲はどこか
といった治療設計が結果を大きく左右します。
同じインビザラインという装置でも、
診断と治療計画によって
治療結果が変わる可能性があります。
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■ まとめ
今回のセッションでは、
・臨床エビデンス
・患者さんとのコミュニケーション
・大学と企業の共同研究
といった視点から、
アライナー矯正の現在と未来が示されました。
デジタル技術が進化する一方で、
**矯正治療の本質は
「正確な診断と治療計画」である**
という基本は変わらないと改めて感じました。
川西市で“こどもが主役の矯正歯科”を掲げる
スマイルプラス矯正歯科として、
これからも
科学的根拠に基づいた矯正治療を提供していきたいと思います。
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■ 次回予告
次回(第3回レポート)は
「20 Years of Partnership
Ortho Doctorと共に切り拓くアライナー矯正の未来」
として行われたセッションについてまとめます。
このセッションでは
・佐本博 先生(青山アール矯正歯科)
・Vicky Vlaskalic 先生(V Orthodontics / Clinical Instructor, University of Melbourne)
という、インビザライン黎明期から
世界のアライナー矯正を牽引してきた2人の講師が登壇しました。
インビザライン治療の進化と、
アジアにおけるClass III治療の未来について
非常に興味深い講演でした。

